シーティング講座続編
投稿日: 2015年3月27日 カテゴリー: イベント・研修情報
光野有次さんのシーティング講座で勉強した目からウロコのシーティングのポイントを少しご紹介ます。
日本の家庭で椅子が使われるようになってまだ50年程しか経っておらず、日本人は西洋人のように背もたれを使った正しい姿勢で座れていないそうです。
日本人は背もたれを使う時文字通りもたれ掛かって使うため、下図のような姿勢になります。
この姿勢は始めは楽ですがしばらくすると苦しくなります。腹部が圧迫され呼吸も浅くなります。
上図のような姿勢にならないように、立っている時と同じような背筋のカーブを作ってやる事が大切さだそうです。
その立っている時と同じような背筋のカーブを作るポイントが下図になります。
①骨盤サポート
首がすわっている場合背もれたを高くしたりヘッドレストをつけたりする必要はなく、しっかり奥まで腰掛けてもらい、骨盤が倒れないようにする(車椅子ならバックサポートベルトなどで)
②アンカーサポート
船が漂泊しないために錨を降ろすように、座面にアンカーの役目を持たせ、お尻が座面からまえに滑りそう出して、骨盤が後傾しないよつにする事。
座面の後ろ部分を少しへこまし少しだけお尻が沈み込むようにする(手前は逆にピンと張った状態にする)
③膝裏の隙間(3〜4cm)
隙間が無いという事は座面の奥行きが長すぎる場合でお尻が背もたれに届いていない。よって骨盤サポートができまくなる。
以上、掻い摘んでポイントのみお話しましたが、私達介護者は経験を積んだシーティングのプロではありません。上記のような事が分かっていても上手にシーティングをする事は難しいと思います。
大切な事は姿勢を自由にコントロール出来ない人達が、自分に合わない車椅子に長時間座りっぱなしにされていることがどんなにしんどい事かを心に留めておく事です。
そして、理学療法士や車椅子製作者などのプロに繋ぐ事だと思いました。
最後に光野有次さんがおっしゃられた素敵な言葉を
「姿勢を気にしないと、用具は気にならない
用具が変わらないと、姿勢は変わらない」
有次さんの「でく工房」ではシーティングを改善するための考えつくされた用品が沢山販売されています