すいか

投稿日: 2018年9月14日  カテゴリー: みんなのお話

利用者さん「病院のご飯が口に合わないから何も食べれない、娘が買ってきてくれたスイカ美味しかったわ~。あんた盛大顔見に来てや!ここの看護師呼んでも『あ~忙しい』言うて聞えへんふりするで(笑)。こんなとこおったら死んでまうわ!」

ヘルパー「やめて~骨折で死なんよ。」

ほんまに。死ぬ?

この仕事をしていると80代であろうが90代であろうが、年齢でスッと納得できるもんじゃありません。

『80代の人が亡くなったんや~、ええ年やもんなあ』では終われない。

『きれい好きで、負けず嫌いで、数字に強くて漢字に弱い、若い頃はブイブイ言わしてて、先週は笑って一緒に掃除してた○○さん』が急にいなくなった。が妥当です。

深い穴に落ちる。

見上げれば…空は青い。

日常生活を営むために這い上がって、とりあえず穴を隠す。

そして通りがかってまた落ちる。自分で作った落とし穴に何回も落ちてわかったことは、落とし穴が必要だということだ。

落ちては這い上がり落ちては這い上がり、死んでいなくなった人を思う。もうここにいないことを思う。命には終わりがあることを体にしみこませる。

いつか、笑える。

若い頃ダンスホールに通い詰めてたこと、韓国ドラマの字幕を反対から読んで脳を活性化させてたこと・・・いろんな宝物を少しづつ埋めて、この穴にも花咲かせます。

 

 

                                                      

2 件のコメント

  1. Minoori-Ikkinen より:

    「すいか」。つらい。身につまされる。
    私も、深い穴に落ちたけど、穴はそのままになってしまっている。クレーターみたいに。でも、そうか、宝物、埋めていったらええにんやね。花咲かせればええんやね。ありがとう。

    • みんなの木 より:

      リピート映像で流されるぐらいの巧妙な落とし穴を作って、花咲くまでどんどん落ちていこうと思います

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